おいしいいちごは苗づくりから|親苗から定植まで、いちごの里・生産部の仕事

いちご狩りの季節は冬から春。そのシーズンのいちごを育てている間にも、農園では次のシーズンに向けた苗づくりが始まっています。
いちごの里の生産部では、3月から4月にかけて親苗を植え付け、そこから生まれるたくさんの苗を一株ずつ見守っています。親苗への肥料撒き、収穫を終えた苗を片付ける「苗切り」、約15万本の「挿し芽」、古い葉を取り除く「葉かき」、親株から子株を独立させる「苗の切り離し」、定植前の肥料入れ、そして畑への定植。今回は、Instagramでお伝えしてきた作業を時系列でたどりながら、いちごのおいしさを支える生産部の仕事をご紹介します。

次のいちごづくりは、親苗の定植から

赤く実ったいちごがお客様の目に触れるまでには、長い時間とたくさんの作業があります。
春のハウスでは、そのシーズンのいちごを育てる一方で、次のシーズンの苗を増やすための親苗も育てています。3月に親苗を植え付け、葉の様子や茎の太さ、水や肥料の状態などを確認しながら、元気な苗へ育つように手をかけていきます。
一つひとつは地道な作業ですが、この積み重ねが、冬から春にかけて皆さまに味わっていただくいちごにつながっています。

苗の成長を支える、生産部の春から夏の仕事

来年度のいちごづくりが始まる「親苗の定植」

いちご狩りシーズンの真っただ中、来年度に向けた親苗の定植が始まりました。
まず植え付けたのは、栃木県生まれのいちご「とちあいか」の親苗です。親苗を育てる場所へ一株ずつ丁寧に植え、これからの成長に備えます。
この親苗からランナーが伸び、その先に次のシーズンを担う子株が育っていきます。3月中にすべての親苗を植え終えられるよう、スタッフで協力しながら作業を進めました。
お客様に今シーズンのいちごを楽しんでいただいている時期から、次のいちごづくりは静かにスタートしています。

来年度のいちご苗を育てるとちあいかの親苗を定植する作業
まずは「とちあいか」から、来年度に向けた親苗の定植が始まりました。

すべての親苗の定植が完了

3月から進めてきた来年度用の親苗の定植が、すべて完了しました。
ハウスに並んだ親苗は、ここから根を張り、葉を広げながら少しずつ大きくなっていきます。次のシーズンもおいしいいちごを皆さまへお届けできるよう、生産部が一株ずつ大切に育てていきます。
親苗の定植が終わった時期も、園内ではまだいちご狩りを開催中です。今シーズンのお客様をお迎えしながら、そのすぐそばで次のシーズンへの準備も着実に進んでいます。

定植を終えてハウスに並ぶ来年度用のいちごの親苗

来年度用の親苗の定植がすべて完了。ここから大切に育てていきます。

次の苗を育てる親苗へ「肥料撒き」

いちご狩りのシーズン中、生産部では次のシーズンに向けた親苗の管理も進めています。
この日は、大きく育ってきた親苗に肥料をあげました。親苗は、ランナーを伸ばして次の苗となる子株を育てる大切な株です。
苗の色や大きさを確認しながら、一株ずつ丁寧に作業を進めます。このまま順調に育ってほしいと願いながら、生産部が日々見守っています。
お客様が春のいちごを楽しんでいる頃、ハウスの中では次のいちごづくりもすでに始まっているのです。

次のいちご苗を育てる親苗に肥料を撒く生産部の作業

大きく育ってきた親苗へ肥料をあげ、次の苗の成長を支えます。

収穫を終えたハウスを整える「苗切り」

次のシーズンへの準備は、収穫を終えたハウスの片付けから始まります。
この日は、鎌を使って苗を一株ずつ切る「苗切り」を行いました。いちごを実らせてくれた苗に感謝しながら、ハウスの中を順番に整えていきます。
あいにくの天気でしたが、涼しい気候のおかげで作業は順調に進みました。まだたくさんのハウスが残る中、スタッフで協力しながら片付けを続けます。
赤いいちごが並ぶ華やかなシーズンが終わると、農園ではすぐに次の一年が動き始めます。苗切りは、前のシーズンを締めくくると同時に、次のおいしいいちごづくりへ進むための大切な作業です。

収穫を終えたいちごの苗を鎌で一株ずつ切る苗切り作業

収穫を終えたハウスで、鎌を使って苗を一株ずつ切り、片付けを進めます。

約15万本の苗を育てる「挿し芽」

この日は、次のシーズンに向けたいちごの挿し芽を行いました。
親苗から伸びたランナーの先にできた子株を、次の定植苗として育てるため、一株ずつ育苗用の培土へ挿していきます。小さな苗を扱う、細やかさと根気が必要な作業です。
この年に予定していた挿し芽は、約15万本。投稿時点では約13万本まで作業が進み、終わりが見えてきました。
暑さが厳しくなる時期は、苗の状態も変化しやすくなります。水や葉の様子をこまめに確認し、一本でも多く元気な苗へ育つよう、より注意を払いながら管理を続けます。

育苗用の培土へいちごの子株を一株ずつ挿す挿し芽作業

約15万本の挿し芽を、スタッフで協力しながら一株ずつ進めました。

古い葉を取り除き、苗を整える「葉かき」

この日は、挿し芽1回目の葉かきを行いました。
葉かきは、古くなった葉を一枚ずつ取り除き、苗の状態を整える作業です。葉を取り終えた苗は、見た目にもすっきり。作業をしながら、一株ごとの様子も丁寧に確認していきます。
ハウスにはまだまだたくさんの苗があります。暑さの中でも声を掛け合いながら、スタッフみんなで作業を進めました。

いちごの挿し芽から古い葉を取り除く葉かき作業

古い葉を取り除き、苗の状態を一株ずつ確認します。

親株から子株が一人立ちする「苗の切り離し」

葉かきから数日後、苗の切り離しを行いました。
いちごの親株からは「ランナー」と呼ばれる細長い茎が伸び、その先に子株ができます。それまで親株とランナーでつながっていた子株を切り離し、一株ずつ独立させるのがこの作業です。
切り離した後の苗は、自分の根から水や養分を取り込んで育っていきます。苗にとっては、まさに「一人立ち」の時。これまで以上に注意深く状態を見守りながら、丈夫な苗へ育てていきます。

親株とランナーでつながったいちごの子株と育苗中の苗

親株から切り離された子株は、それぞれの根で水や養分を取りながら成長します。

定植を前に、苗を支える「肥料入れ」

苗の切り離しからしばらく経ち、一株ずつ育ってきた苗へ肥料を入れました。
4月に行ったのは、子株を育てる親苗への肥料撒き。今回の肥料入れは、これから畑へ定植する苗の成長を支えるための作業です。
暑いハウスの中での作業ですが、スタッフで声を掛け合いながら、一株ずつ丁寧に進めました。苗も太く丈夫に育ち、定植に向けた準備が着々と進んでいます。
小さかった苗が少しずつ力強い姿へ変わっていく様子は、生産部にとってもうれしい成長のしるしです。

定植を控えた太く丈夫ないちご苗へ肥料を入れる作業

定植に向けて育ってきた苗へ、一株ずつ肥料を入れました。

豊作を願い、いよいよ定植へ

苗づくりが進み、いよいよ畑へ植える時期を迎えました。
この日は、今年度のいちごの豊作を願って、スタッフで豊作祈願を行いました。「今年もおいしいいちごをたくさん育て、多くのお客様に喜んでいただきたい」。そんな思いを胸に、スタッフ一同で次のシーズンへ向かいます。
そして同じ日から、夜冷苗の定植も始まりました。夏の間、大切に育ててきた苗が育苗場所を離れ、いちごを実らせる畑へと移っていきます。

いちごの豊作を願い集合するいちごの里のスタッフ

今年度の豊作と、お客様へおいしいいちごを届けられることを願いました。
「夜冷苗」とは?
いちごの苗に夜間の低温を感じさせ、花芽の形成を促す「夜冷育苗」という方法で育てた苗です。温度や苗の状態を確認しながら育て、適した時期を見極めて畑へ定植します。

一粒のいちごに、たくさんの手間と時間を

親苗を一株ずつ植えること。親苗へ肥料をあげること。収穫を終えた苗を片付けること。子株を一株ずつ挿し芽すること。葉を一枚ずつ取り除くこと。苗を一株ずつ切り離すこと。定植前の苗へ肥料を入れること。水や養分の状態を確認すること。畑へ丁寧に植えていくこと。
生産部の仕事には、すぐに結果が見えるものばかりではありません。それでも毎日の小さな変化を見逃さず、「次はどうしたらもっと良くなるか」を考えながら作業を続けています。
生産部だけでなく、農園、カフェ、レストラン、製造、販売など、いちごの里のさまざまな部署へとバトンがつながり、育てたいちごがお客様のもとへ届きます。
次のいちごの季節を、どうぞ楽しみに
今はまだ小さな苗ですが、これから根を張り、葉を広げ、花を咲かせ、やがて赤いいちごを実らせます。
皆さまが次のシーズンにいちごを味わう時、その一粒が3月の親苗の定植から始まっていることも、少し思い出していただけたらうれしいです。
生産部をはじめ、スタッフ一同、おいしいいちごをお届けできるよう大切に育ててまいります。

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